「遊水地」と「遊水池」どちらの表記が正しい?違いを解説します。

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疑問に思ったので調べてみました。

結論から言うと「遊水地」という表記が一般的です。

あえて遊水地・遊水池という表記の使い分けをするなら次ように区別することが多いです。

結論

  • 場所・土地をさす場合は「遊水地」
  • 遊水地という場所であり、かつ普段から水が溜まっている池をさす場合は「遊水池」

誤解を恐れず簡易的な表現をすれば、下記のようになります。

遊水地:平常時は水が溜まっておらず、洪水時のみ河川から水が流入する土地。
遊水池:平常時も水が溜まっていて、洪水時にはさらに河川から水が流入する。

ベン図で表すと次のとおりです。

ベン図

河川法上の表記は遊水地

河川法第6条に次のような条文があります。

堤外の土地(政令で定めるこれに類する土地及び政令で定める遊水地を含む。第三項において同じ。)の区域のうち、第一号に掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして河川管理者が指定した区域

河川法第6条(河川区域)

河川法の条文では「遊水地」という表記が使われています。

このことから、多くの新聞記事やニュース、行政関係の文章では「遊水地」表記が採用されているようです。

厳密に使い分けたい方、根拠を詳しく知りたい方はこの記事を読み進め

考える参考にしてください。

そもそも遊水地とは?

遊水地とは、川の水を”あえて”堤防から溢れさせるための場所です。

河川の水を遊ばせる場所のことを「遊水地」といいます。

台風や低気圧により、大雨が降った際には、普段よりたくさんの水が川を流れます。

水位が高くなりすぎるとると堤防が壊れる可能性が高くなります。堤防が壊れた場合には周辺に川の水が流れ込み、甚大な被害が生じます。

そのため、川の水位を下げるための1つの手段として、川のそばに遊水地という施設が作られます。

遊水地があるとその下流側では、河川の水位が低下します

遊水地が河川に与える効果

渡良瀬遊水地?遊水池?どっちが正しい?

日本で一番大きい遊水地である渡良瀬遊水地を例に解説します。

渡良瀬遊水地はこんな場所です!

利根川上流河川事務所HPより画像を引用し調節池名等を加筆
利根川上流河川事務所HPより画像を引用し調節池名等を加筆

渡良瀬遊水地全域を指す場合は「地」が正解です。根拠は下記。

「渡良瀬遊水地」の表記については、河川法第6条の河川区域を定める条文で「政令で定める遊水地」との表記があり、その表記上で「」を使用していることから、遊水地全体については「地」を使用し、調節池、貯水池については「池」を使用することを原則としています。
また、渡良瀬遊水池出張所につきましては、「渡良瀬遊水池総合開発事業」により整備した渡良瀬貯水池(谷中湖)を管理しているため、「」を使用しています。

利根川上流河川事務所HP「事業概要」のページより引用

「ん?」と思われた方、渡良瀬遊水地を監視している渡良瀬遊水出張所は「」を使用しているのです。

そのことから「地」と「池」の使い分けは下記のとおりと考えられます。

遊水地と遊水池の使い分けは?

場所をさす場合は「遊水地」、遊水地という場所であり、かつ普段から水が溜まっている池をさす場合は「遊水池」なのではないかと考えられます。

渡良瀬遊水池出張所は「池」自体を管理しているから遊水池という漢字を使用している。

以上!

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