令和6年測量士補試験 第4問(正誤:位置の基準)を解説

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測量士補試験
xr:d:DAFvvVrKkiI:3,j:4341874373977470874,t:23092813

試験問題の引用
令和6年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第4問 問題

 次のa~eの文は、位置の基準について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の1~5の中から選べ。

a. 地心直交座標系(平成14年国土交通省告示第185号)における任意の地点の座標値から、ジオイド高を用いなくても、緯度、経度及び標高に変換できる。

b. 基本測量及び公共測量では、標高は平均海面からの高さで表す。

c. ジオイドは重力の方向と直交であり、地球の表面に対して一様に平行である。

d. 基本測量及び公共測量において位置を緯度及び経度で表す場合は、地球を扁平な回転楕円体と想定する。

e. 標高、楕円体高、ジオイド高には、「標高 = 楕円体高 – ジオイド高」の関係が成立している。

選択肢
1. a, c
2. a, d
3. b, d
4. b, e
5. c, e

第4問 解答・解説

正解は選択肢1です。

以下、解説。

選択肢a


a. 地心直交座標系(平成14年国土交通省告示第185号)における任意の地点の座標値から、ジオイド高を用いなくても、緯度、経度及び標高に変換できる。

×地心直交座標系(平成14年国土交通省告示第185号)における任意の地点の座標値から、ジオイド高を用いなくても、緯度、経度及び標高に変換できる。
地心直交座標系(平成14年国土交通省告示第185号)における任意の地点の座標値から、ジオイド高を用いれば、緯度、経度及び標高に変換できる。

令和4年測量士補試験の第4問にて類似の選択肢があります。

地心直交座標系から緯度、経度、楕円体高への変換が可能です。
楕円体高から標高を算出するためには下図のようにジオイド高が必要です。

※地心直交座標と緯度経度の相互換算については国土地理院HPで計算できます。
いろいろな数値を入力して遊んでみるとイメージがつくと思います。

選択肢b


b. 基本測量及び公共測量では、標高は平均海面からの高さで表す。

そのとおりです。

(測量の基準)
第十一条 基本測量及び公共測量は、次に掲げる測量の基準に従つて行わなければならない。
 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。

測量法(e-Gov法令検索

選択肢c


c. ジオイドは重力の方向と直交であり、地球の表面に対して一様に平行である。

×ジオイドは重力の方向と直交であり、地球の表面に対して一様に平行である。
ジオイドは重力の方向と直交であり、地球の表面に対して凹凸がある。

類題(令和2年測量士補試験 第4問

ジオイドについては「ジオイドを知る(国土地理院HP」の画像がデコボコ感を理解しやすいと思います。

選択肢d


d. 基本測量及び公共測量において位置を緯度及び経度で表す場合は、地球を扁平な回転楕円体と想定する。

そのとおりです。

(測量の基準)
第十一条 基本測量及び公共測量は、次に掲げる測量の基準に従つて行わなければならない。
 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。
 前項第一号の地理学的経緯度は、世界測地系に従つて測定しなければならない。
 前項の「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす扁へん平な回転楕円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。

測量法(e-Gov法令検索

選択肢e


e. 標高、楕円体高、ジオイド高には、「標高 = 楕円体高 – ジオイド高」の関係が成立している。

正しいです。
こちらも令和4年測量士補試験の第4問にて似ている択肢があります。

ジオイドとは

 日本の標高の基準は、測量法で平均海面と定められています。この平均海面を仮想的に陸地へ延長した面をジオイドといいます。

 国土地理院では、重力測量や水準測量の結果などから、地球を仮想的に表した楕円体表面からジオイドまでの高さ(ジオイド高)を決めています。衛星測位で決まる高さ(楕円体高)からジオイド高を引くことで、簡単に標高を求めることができます。

ジオイドを知る(国土地理院HP

以上、正解は「選択肢1」でした。

令和6年測量士補試験の解説は随時更新予定です。

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