令和5年測量士試験(午前) 第25問(計算:道路設計)を解説

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測量士試験

試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第25問 問題

 図25に示すように、点Pを始点、点Qを終点とする基本型クロソイド(対称型)の道路の建設を計画している。円曲線部の半径R=180 m、交角I=60°、クロソイドパラメータA=110 m、円周率π=3.142とするとき、点Pから点Qまでの路線長は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
 なお、関数の値が必要な場合は、巻末の関数表を使用すること。

選択肢
1.256 m
2.312 m
3.361 m
4.428 m
5.483 m

第25問 解答・解説

正解は選択肢1です。
以下、解説。

筆者はこの分野が苦手なので計算過程のみ解説します。

図示する

測量士・測量士補国家試験 科目別模範解答集(平成27年~令和元年)より引用してパラメータの値を修正。

計算していく

新路線PQの路線長は図解-25で示す通り
(クロソイド長(L))× 2 +(円曲線長(Lc))

Lはクロソイドの基本公式で
L=A2/Rより
L=1102 / 180 = 67.2 m

Lcについては図解-25より α=I-2τ になり、
τについては τ=L/(2R) という公式(※)より
α=I-2(L/(2R)) = I-L/R
Lc=Rαであるので、Lc=R(I-L/R)=RI-L

したがって新路線長は
L+Lc+L=L+(RI-L)+L=RI+L
    =180×60×π/180 + 67.2
    =188.52 + 67.2
    =255.72 m

よって求める新路線長は255.72 m

正解は「選択肢1」。

類題
平成28年測量士試験(午前)第25問

(※)補足:τ=L/(2R) という公式

τ=L/(2R) は、測量士試験の「路線測量(曲線測量)」の分野で使われる、接線角(接線偏角)を求めるための公式です。

公式 τ=L/(2R) の意味

記号意味単位
τ(タウ)接線角(接線偏角)ラジアン (rad)
L曲線長(始点から任意の点までの長さ)メートル (m)
R曲線半径メートル (m)

何を計算するために使うのか?

この公式は、路線(道路や鉄道の設計線)を実際に地上に設置する(測設する)際に使用します。

円曲線の始点(BC点)から、曲線上の任意の点(設置したい点)を観測機械(トータルステーションなど)を使って正確に測るために必要な水平角(接線角)を計算します。

  • 接線角の定義: 曲線始点(BC点)の接線(直線)を基準(0度)としたとき、曲線上の任意の点に向かう方向線が接線となす角度のことです。

ほかの問題も見たい方はこちら
測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

コメント

  1. O より:

    τ=L/(2R)って何の公式ですか? 

    • ちーたら ちーたら より:

      ご質問ありがとうございます。

      ご質問の公式 τ=L/(2R) は、測量士試験の「路線測量(曲線測量)」の分野で使われる、接線角(接線偏角)を求めるための公式です。
      これは円曲線の計算において、非常に基礎的かつ重要な公式の一つです。

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