トータルステーション特有の誤差の問題です。
丸暗記もしくは理屈で覚える、どちらか得意な方向で攻略しましょう!
問題
次のa〜cの文は、公共測量において実施するトータルステーション(以下「TS」という。)を用いた基準点測量の誤差などについて述べたものである。「ア」〜「オ」に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の表から選べ。
a. TSの距離測定において、気温が「ア」と測定距離は短くなり、気圧が「イ」と測定距離は長くなるなど、気象条件の影響を受ける。
b. TSの距離測定において、距離に比例する誤差には「ウ」による誤差がある。
c. TSにおける水平角の観測の良否は、倍角差及び観測差により判定するが、測量の精度が低下しないように対回内の観測方向数は5方向「エ」としている。
ア | イ | ウ | エ | |
1 | 上がる | 上がる | 変調周波数の変化 | 以下 |
2 | 上がる | 下がる | 位相の変化 | 以上 |
3 | 上がる | 下がる | 変調周波数の変化 | 以下 |
4 | 下がる | 上がる | 位相の変化 | 以上 |
5 | 下がる | 下がる | 位相の変化 | 以下 |
解説
正解の選択肢は1です。
文章a
TSの距離測定において、気温が「上がる」と測定距離は短くなり、気圧が「上がる」と測定距離は長くなるなど、気象条件の影響を受ける。
→大気中の屈折により、測定距離に影響がでます。
気温が低いと…
1.空気が縮小し、空気の密度が大きくなる。
2.体積当たり、光を邪魔する空気の分子が多くなる。
3.屈折率が高くなる。
4.測定距離が長くなる。
気温が高いと…
1.空気が膨張し、空気の密度が小さくなる。
2.体積当たり、光を邪魔する空気の分子が少なくなる。
3.屈折率が少なくなる。
4.測定距離が短くなる。
よって、「気温が上がると測定距離が短く」なります。
空気の密度の大小が、屈折率の大小を決めます。
→気圧が上がると、空気の密度が上がりますので、屈折率も大きくなります。
→測定距離も長くなります。
この辺は、高校物理の知識(光の屈折、ボイルシャルルの法則)があれば何となく理解していただけると思います。
文章b
TSの距離測定において、距離に比例する誤差には「変調周波数の変化」による誤差がある。
→現在勉強中です。すみません。
文章c
TSにおける水平角の観測の良否は、倍角差及び観測差により判定するが、測量の精度が低下しないように対回内の観測方向数は5方向「以下」としている。
→
(観測の実施)
作業規定の準則
第37条
2
一
ト 水平角観測において、対回内の観測方向数は、5方向以下とする。
参考
必須の知識
測定距離に比例する誤差:屈折率の変化(気温、気圧、水蒸気)、変調周波数の変化
測定距離に比例しない誤差:位相差測定誤差、器械定数誤差、等
↓令和2年測量士試験(午前) 解答解説↓
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