問題
〔No. 20〕
次の a ~ e の文は,公共測量における航空レーザ測量について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a .コース間標高値の点検は,コース間の重複部分に点検箇所を選定し,コースごとの標高値の比較点検を行う。
b .レーザ測距装置の位置は,地上に設置した固定局との基線解析をスタティック法により行い求めることができる。
c .航空レーザ用数値写真の撮影範囲は必要に応じて設定し,計測対象地域の80 %を標準とする。
d .既存データとの整合は,既存データとグラウンドデータとの重複区間を設定して比較及び点検を行い,必要に応じて再計算処理又は再計測などの是正処置を実施する。
e .フィルタリング点検図は,フィルタリングが適切に行われたか否か,作成されたグラウンドデータの異常の有無について点検するために作成する。
選択肢
1. a,b
2. a,d
3. b,c
4. c,e
5. d,e
解説
正解は選択肢3です。
選択肢a
正
a .コース間標高値の点検は,コース間の重複部分に点検箇所を選定し,コースごとの標高値の比較点検を行う。
そのとおりです。
重複箇所の標高を点検することで、計測の正確性を確認できます。
第10章 航空レーザ測量
作業規程の準則
第4節 航空レーザ計測
第431条 コース間標高値の点検は、コース間の重複部分に点検箇所を選定し、コースごとの標高値の比較点検を行うものとする。
選択肢b
誤
b .レーザ測距装置の位置は,地上に設置した固定局との基線解析をスタティック法により行い求めることができる。
レーザ測距装置の位置はスタティック法ではなくキネマティック法で求めます。
第10章 航空レーザ測量
作業規程の準則
第4節 航空レーザ計測
第420条 「固定局の設置」とは、航空レーザ測量において、レーザ測距装置の位置をキネマティック法で求めるための地上固定局を設置することをいう。
選択肢c
誤
c .航空レーザ用数値写真の撮影範囲は必要に応じて設定し,計測対象地域の80 %を標準とする。
計測対象地域の80%ではなく全域を撮影する必要があります。
第10章 航空レーザ測量
作業規程の準則
第4節 航空レーザ計測
第425条
2 航空レーザ用数値写真は、次の各号に留意して撮影するものとする。
一 航空レーザ計測と同時期に撮影することを標準とする。
二 建物等の地表遮蔽物が確認できる解像度とし、地上画素寸法は1.0メートル以下を標準とする。
三 撮影は、計測対象地域を網羅する範囲とする。
選択肢d
正
d .既存データとの整合は,既存データとグラウンドデータとの重複区間を設定して比較及び点検を行い,必要に応じて再計算処理又は再計測などの是正処置を実施する。
そのとおりです。
第10章 航空レーザ測量
作業規程の準則
第4節 航空レーザ計測
第441条 既存データとの整合は、既存データとグラウンドデータとの重複区間を設定して比較及び点検を行うものとする。
3 点検は、次のとおり行うものとする。
三 標準偏差が30センチメートル以上の場合は、オリジナルデータ等も考慮した原因を調査した上、再計算処理又は再計測等の是正措置を講じる。
選択肢e
正
e .フィルタリング点検図は,フィルタリングが適切に行われたか否か,作成されたグラウンドデータの異常の有無について点検するために作成する。
そのとおりです。
第10章 航空レーザ測量
作業規程の準則
第4節 航空レーザ計測
第442条 フィルタリング点検図は、フィルタリングが適切に行われたか否か、作成されたグラウンドデータの異常の有無について点検するために作成するものとする。
以上、正解は選択肢「3」でした。
↓令和2年測量士試験(午前) 解答解説↓
コメント
測量士取得に向けた学習をしており、すごく助かっています。
令和2年度 測量士(午前) 問20 選択肢Cの解説についてですが、
作業規程の準則 第10章 第5節 調整用基準点の設置
ではなく
作業規程の準則 第10章 第4節 航空レーザ計測
ではないでしょうか?
確認(・訂正)していただけると助かります
コメントいただきありがとうございます。
ご指摘いただきました箇所について確認し、訂正しましたのでお知らせいたします。
該当箇所:令和2年度 測量士(午前) 問20 選択肢Cの解説
修正前:作業規程の準則 第10章 第5節 調整用基準点の設置
修正後:作業規程の準則 第10章 第4節 航空レーザ計測
今後とも当ブログをご活用いただけますと幸いです。
お気づきの点がございましたら再度コメント願います。