問題
〔No. 19〕
次の a ~ e の文は,公共測量における写真地図の作成について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a .建物の倒れ込みの影響の少ない写真地図を作成するためには,同一撮影コース内の隣接空中写真との重複度及び隣接コースの空中写真との重複度が,できるだけ小さくなるように撮影計画を立てるとよい。
b .数値写真は原則として 1 年以内に撮影されたものを用いることとし,撮影時期,天候,撮影コースと太陽位置との関係などによって現れる色調差や被写体の変化を考慮して用いる。
c .正射投影画像は,数値写真を標定し,数値地形モデルを用いて作成する。
d .数値地形モデルの作成において,すべての河川及び湖沼などの陸水面は地表面に分類し,その標高は,周辺陸域の最近傍値からの内挿処理によって求める。
e .数値地形モデルの点検は,デジタルステレオ図化機などを用いて計測された標高点と,抽出された数値地形モデルファイルの標高点を比較して行う。
選択肢
1. a,c
2. a,d
3. b,d
4. b,e
5. c,e
解説
正解は選択肢2です。
選択肢a
誤
a .建物の倒れ込みの影響の少ない写真地図を作成するためには,同一撮影コース内の隣接空中写真との重複度及び隣接コースの空中写真との重複度が,できるだけ小さくなるように撮影計画を立てるとよい。
建物の倒れ込みの影響を小さくするためには、空中写真の重複度は大きいほうが良いです。
空中写真は中央部ほど、建物の倒れ込みが小さいため。
ちなみにこの選択肢と同じような文言が、平成29年測量士試験(午前)の第19問で出題されています。
選択肢b
正
b .数値写真は原則として 1 年以内に撮影されたものを用いることとし,撮影時期,天候,撮影コースと太陽位置との関係などによって現れる色調差や被写体の変化を考慮して用いる。
そのとおりです。根拠は下記。
第9章 写真地図作成
作業規程の準則
第4節 正射変換
第399条 数値写真は、作業着手前1年以内に撮影されたものを用いることを原則とする。
2 使用する数値写真は、撮影時期、天候、撮影コースと太陽位置との関係等によって現れる色調差や被写体の変化を考慮して用いるものとする。
選択肢c
正
c .正射投影画像は,数値写真を標定し,数値地形モデルを用いて作成する。
そのとおりです。根拠は下記。
第9章 写真地図作成
作業規程の準則
第4節 正射変換
第407条 正射投影画像は、数値写真を標定し、数値地形モデルを用いて作成するものとする。
選択肢d
誤
d .数値地形モデルの作成において,すべての河川及び湖沼などの陸水面は地表面に分類し,その標高は,周辺陸域の最近傍値からの内挿処理によって求める。
小規模な湖沼などの陸水面は地表面に分類しますが、大規模な湖沼水面及び海水面では標高値を実際には存在しない-9999mなどとする。
よって「すべての湖沼を地表面に分類」という部分が誤りである。
選択肢e
正
e .数値地形モデルの点検は,デジタルステレオ図化機などを用いて計測された標高点と,抽出された数値地形モデルファイルの標高点を比較して行う。
そのとおりです。
正解は「選択肢2」
↓令和2年測量士試験(午前) 解答解説↓
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