令和3年測量士試験(午前) 第6問(正誤:地球の形状)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和3年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第6問 問題

 次のa〜eの文は、地球の形状と測量の基準について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。

a.基本測量及び公共測量における位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。また、直角座標及び回転楕円体からの高さで表示してもよい。
b.ジオイドは、重力の大きさが常に等しい面である。

c.基本測量及び公共測量における距離及び面積は、測量法(昭和 24 年法律第 188 号)で規定する回転楕円体の表面上の値で表示する。
d.測量の原点は、離島の測量等の場合で国土地理院の長の承認を得たときを除き、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。

e.日本水準原点の数値は政令で定められており、東京湾平均海面の高さを基準としている。

選択肢
1.a,b
2.a,c
3.b,d
4.c,e
5.d,e

第6問 解答・解説

正解は選択肢1です。

選択肢a

a.基本測量及び公共測量における位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。また、直角座標及び回転楕円体からの高さで表示してもよい。

第十一条 基本測量及び公共測量は、次に掲げる測量の基準に従つて行わなければならない。
 位置は、地理学的経緯度及び平均海面からの高さで表示する。ただし、場合により、直角座標及び平均海面からの高さ、極座標及び平均海面からの高さ又は地心直交座標で表示することができる。

測量法(e-Gov法令検索

高さの表示は、平均海面からの高さで行います。よって、この選択肢は誤りです。

選択肢b

b.ジオイドは、重力の大きさが常に等しい面である。

ぱっと見、正しそうですが、よく読むと間違っています。

常に等しい面」が誤りです。常に等しいわけではなく変動し続けています。

この選択肢が誤りである自信はありませんが、選択肢c,d,eは正しいことが書かれているので、消去法でbを誤りとしました。

「常に等しい」が誤りと思った理由をメモしておきます。

 ジオイドとは、重力の等ポテンシャル面だと解説されています。しかし、地球の営みを考えると、地殻変動等で絶えず、重力の大きさは変動している(同じ場所であっても)と考えました。
 変動しているので、常に等しいというのは誤りと判断しました。

選択肢c

c.基本測量及び公共測量における距離及び面積は、測量法(昭和 24 年法律第 188 号)で規定する回転楕円体の表面上の値で表示する。

第十一条 基本測量及び公共測量は、次に掲げる測量の基準に従つて行わなければならない。
 距離及び面積は、第三項に規定する回転円体の表面上の値で表示する。

測量法(e-Gov法令検索

この選択肢は正しいです。

選択肢d

d.測量の原点は、離島の測量等の場合で国土地理院の長の承認を得たときを除き、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。

十一
 測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。ただし、離島の測量その他特別の事情がある場合において、国土地理院の長の承認を得たときは、この限りでない。

測量法(e-Gov法令検索

選択肢dは正しい。

選択肢e

e.日本水準原点の数値は政令で定められており、東京湾平均海面の高さを基準としている。

十一
 前号の日本経緯度原点及び日本水準原点の地点及び原点数値は、政令で定める。

測量法(e-Gov法令検索

平均海面
  日本の土地の高さ(標高)は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として測られています。東京湾の平均海面を地上に固定するために設置されたのが日本水準原点です。

高さの基準(国土地理院HP

よって、選択肢eは正しい。

条文1つ1つを覚える必要はありませんが、良く問われる条文に関しては、演習を通してなんとなく覚えるところまでいきたいですね。

正解は「選択肢1

令和3年測量士試験(午前) 解答解説

令和3年測量士試験(午前) 全28問解説

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