令和4年測量士試験(午前) 第7問(基準点測量の精度管理)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和4年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第7問 問題

 次の文は,公共測量において実施するトータルステーション(以下「TS」という。)を用いた基準点測量の精度管理について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.観測に使用する機器の点検は,観測着手前及び観測期間中に適宜行い,必要に応じて機器の調整を行う。

2.距離測定の気象補正に使用する気温及び気圧の測定は,TS を整置した測点で,距離測定の開始直前又は終了直後に行う。

3.観測点における角観測の良否を判定するため,倍角差,観測差,高度定数の較差を点検する。

4.偏心点を設ける場合,偏心距離は測点間距離の 5 分の 1 以下を標準とする。

5.厳密水平網平均計算及び厳密高低網平均計算による新点水平位置の標準偏差の許容範囲は100 mm,新点標高の標準偏差の許容範囲は 200 mm を標準とする。

第7問 解答・解説

正解は選択肢4です。

以下、解説。

選択肢1

1.観測に使用する機器の点検は,観測着手前及び観測期間中に適宜行い,必要に応じて機器の調整を行う。

そのとおりです。

第36条 観測に使用する機器の点検は、観測着手前及び観測期間中に適宜行い、必要に応じて機器の調整を行うものとする。

作業規程の準則

選択肢2

2.距離測定の気象補正に使用する気温及び気圧の測定は,TS を整置した測点で,距離測定の開始直前又は終了直後に行う。

この選択肢は正しいです。

第37条
観測は、平均図等に基づき、次に定めるところにより行うものとする。

距離測定の気象補正に使用する気温及び気圧の測定は、次のとおり行うものとする。
(1)TS又は測距儀を整置した測点(以下「観測点」という。)で行うものとする。ただし、3級基準点測量及び4級基準点測量においては、気圧の測定を行わず、標準大気圧を用いて気象補正を行うことができる。
(2)気温及び気圧の測定は、距離測定の開始直前又は終了直後に行うものとする。
(3)観測点と反射鏡を整置した測点(以下「反射点」という。)の標高差が400メートル以上のときは、観測点及び反射点の気温及び気圧を測定するものとする。ただし、反射点の気温及び気圧は、計算により求めることができる。

作業規程の準則

選択肢3

3.観測点における角観測の良否を判定するため,倍角差,観測差,高度定数の較差を点検する。

そのとおりです。

倍角:望遠鏡正の観測値と反の観測値の和
倍角差:倍角の差
観測差:各対回ごとに計算された較差の差
高度定数:鉛直観測における正反観測の誤差

観測終了後には観測値の点検を速やかに行い、制限を超えた場合には再測する必要があります。

選択肢4

4.偏心点を設ける場合,偏心距離は測点間距離の 5 分の 1 以下を標準とする。

×偏心点を設ける場合,偏心距離は測点間距離の 5 分の 1 以下を標準とする。
偏心点を設ける場合,偏心距離は測点間距離の6分の 1 以下を標準とする。

第23条 基準点測量は、次の方式を標準とする。
2 結合多角方式の作業方法は、次表を標準とする。

作業規程の準則
作業規程の準則第23条より引用

選択肢5

5.厳密水平網平均計算及び厳密高低網平均計算による新点水平位置の標準偏差の許容範囲は100 mm,新点標高の標準偏差の許容範囲は 200 mm を標準とする。

そのとおりです。

作業規程の準則第43条より引用

以上、正解は「選択肢4」でした。

令和4年測量士試験の解説は随時更新予定です。

ほかの問題も見たい方はこちら

測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

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