令和5年測量士試験(午前) 第9問(GNSS測量機を用いた基準点測量の正誤)を解説

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測量士試験

試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第9問 問題

 次の文は、公共測量におけるGNSS測量機を用いた基準点測量について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。

a.アンテナ位相特性が異なるアンテナ同士でのGNSS測量では、PCV補正を適用することにより異機種間観測での精度を確保することができる。

b.GNSS衛星及びGNSS受信機の時計誤差は、二重位相差による解析処理を行うことで同時に消去することができる。

c.スタティック法による10km以上の観測において、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合は、これらの衛星を5衛星以上使用する。

d.スタティック法では、複数の観測点にGNSS測量機を整置して、GNSS衛星からの信号を同時に受信し、GNSS衛星の位置の時間的変化を利用して整数値バイアスを決定することで、観測点間の基線ベクトルを求める。

e.キネマティック法は、固定局と移動局で同時に単独測位を行い、それぞれの観測点で得た座標値の差から、基線ベクトルを求める観測方法である。

選択肢
1.a, c
2.a, d
3.b, d
4.b, e
5.c, e

第9問 解答・解説

正解は選択肢5です。
以下、解説。

選択肢a


a.アンテナ位相特性が異なるアンテナ同士でのGNSS測量では、PCV補正を適用することにより異機種間観測での精度を確保することができる。

そのとおりです。

選択肢b


b.GNSS衛星及びGNSS受信機の時計誤差は、二重位相差による解析処理を行うことで同時に消去することができる。

そのとおりです。

選択肢c


c.スタティック法による10km以上の観測において、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合は、これらの衛星を5衛星以上使用する。

×スタティック法による10km以上の観測において、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合は、これらの衛星を5衛星以上使用する。
スタティック法による10km以上の観測において、GPS・準天頂衛星及びGLONASS衛星を用いる場合は、これらの衛星を6衛星以上使用する。

第2編 基準点測量
第2章 基準点測量
(観測の実施)
第37条

ニ 観測方法による使用衛星数は、次表を標準とする。

作業規程の準則

選択肢d


d.スタティック法では、複数の観測点にGNSS測量機を整置して、GNSS衛星からの信号を同時に受信し、GNSS衛星の位置の時間的変化を利用して整数値バイアスを決定することで、観測点間の基線ベクトルを求める。

そのとおりです。

第2編 基準点測量
第2章 基準点測量
(観測の実施)
第37条

リ スタティック法及び短縮スタティック法については、次のとおり行うものとする。
(1)スタティック法は、複数の観測点にGNSS測量機を整置して、同時にGNSS衛星からの信号を受信し、それに基づく基線解析により、観測点間の基線ベクトルを求める観測方法である。

作業規程の準則

選択肢e


e.キネマティック法は、固定局と移動局で同時に単独測位を行い、それぞれの観測点で得た座標値の差から、基線ベクトルを求める観測方法である。

×キネマティック法は、固定局と移動局で同時に単独測位を行い、それぞれの観測点で得た座標値の差から、基線ベクトルを求める観測方法である。
キネマティック法は、固定局と移動局で同時に単独測位を行い、その後、移動局を複数の観測点に次々と移動して観測を行い、それに基づき固定局と移動局の間の基線ベクトルを求める観測方法である。
(既知点からの情報を携帯や無線で移動局に送信し移動局の位置を決定する方法)

第2編 基準点測量
第2章 基準点測量
(観測の実施)
第37条

ヌ キネマティック法は、基準となるGNSS測量機を整置する観測点(以下「固定局」という。)及び移動する観測点(以下「移動局」という。)で、同時にGNSS衛星からの信号を受信して初期化(整数値バイアスの決定)などに必要な観測を行う。その後、移動局を複数の観測点に次々と移動して観測を行い、それに基づき固定局と移動局の間の基線ベクトルを求める観測方法である。ただし、初期化及び基線解析は、観測終了後に行うものとする。

作業規程の準則

以上、正解は「選択肢5」でした。

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