試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html
第3問 問題
次の文は、地理情報標準プロファイル(以下「JPGIS」という。)について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
1.JPGISは、地理情報に関する国際規格(ISO規格)及び日本産業規格の中から、必要となる基本的な要素を抽出し、体系化したものである。
2.JPGISに準拠する応用スキーマで定義された地理空間データは、統一モデル化言語(UML)を用いて符号化される。
3.JPGISに準拠して整備されたデータが全て同じXML形式で作成されているわけではない。
4.測量計画機関が定める製品仕様書には、得ようとする測量成果の種類、内容、構造、品質等を示さなければならない。
5.JPGISに準拠した製品仕様書のデータ品質要素の検査は、最初に書式一貫性、次に概念一貫性の順で検査を行う。
第3問 解答・解説
正解は選択肢2です。
JPGIS(Japan Profile for Geographic Information Standards,地理情報標準プロファイル)について詳しくまとめられているサイト
→国土地理院HP
以下、解説。
選択肢1
正
1.JPGISは、地理情報に関する国際規格(ISO規格)及び日本産業規格の中から、必要となる基本的な要素を抽出し、体系化したものである。
そのとおりです。以下、イメージ図。
日本、世界中で同一のルールを決めれば、データのやり取りもスムーズですし利用しやすいというメリットがあります。
選択肢2
誤
2.JPGISに準拠する応用スキーマで定義された地理空間データは、統一モデル化言語(UML)を用いて符号化される。
×JPGISに準拠する応用スキーマで定義された地理空間データは、統一モデル化言語(UML)を用いて符号化される。
〇JPGISに準拠する応用スキーマで定義された地理空間データは、拡張可能なマークアップ言語(XML)を用いて符号化される。
XMLで符号化の例が国土地理院HPにて公開されていましたので、一部をスクショして下記に示します。
どこで何の目的でどのような測量をいつ行ったかという情報を共有することで、既存のデータをインターネット上で検索できるようになっています(=クリアリングハウス)。
これを活用することで、測量の重複を防げる、また測量成果を使用したいときにその成果がどこの測量計画機関のものかわかる(下図イメージ参照)。
なお、選択肢2に記述のあった統一モデル化言語(UML)は地理情報標準プロファイル(JPGIS)で定義するスキーマを記述するときに使います。
選択肢3
正
3.JPGISに準拠して整備されたデータが全て同じXML形式で作成されているわけではない。
そのとおりです。
XML形式のほかにGML形式(地理マーク付け言語)があります。
選択肢4
正
4.測量計画機関が定める製品仕様書には、得ようとする測量成果の種類、内容、構造、品質等を示さなければならない。
そのとおりです。
JPGISに準拠した製品仕様書が必要で省略はできません。
JPGIS に準拠した製品仕様書は、作成する地理空間データの詳細な設計書の役割を持つとともに、地理空間データを流通・交換する際には、当該地理空間データの説明書として使用することができます。
選択肢5
正
5.JPGISに準拠した製品仕様書のデータ品質要素の検査は、最初に書式一貫性、次に概念一貫性の順で検査を行う。
そのとおりです。
6.8 合否判定の順序
品質の要求、評価及び報告のための規則(令和元年7月、国土交通省国土地理院)
データ品質要素・データ品質副要素の検査は,最初に書式一貫性,次に概念一貫性の順で検査を行うとともに,表 1 に示す順序を守らなければならない。但し,互いに依存関係がないものについては,自由に順序を定めてよい。
品質要求に規定する全てのデータ品質適用範囲の適合性が合格となった場合に,データ集合全体は,合格と判定される。
以上、正解は「選択肢2」でした。
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測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。
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