令和5年測量士試験(午前) 第26問(正誤:用地測量)を解説

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測量士試験

試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第26問 問題

 次の文は、公共測量における用地測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.公図等転写連続図の作成において、隣接する公図間で字界の線形に相違があったが、接合部を合致させるための調整はせず、公図に記載されている字界をそのまま転写した。

2.権利者確認調査のため、測量計画機関から貸与された資料を基に利権者調査表を作成した。

3.復元測量において、境界杭の亡失があったため、復元すべき位置に仮杭を設置した。その際、関係権利者への事前説明は実施したが、現地での立会いは行わなかった。

4.境界測量において、近傍の4級基準点から、節点2点の開放多角測量により補助基準点を設置し、この補助基準点に基づき、放射法により境界点の測定を行った。

5.用地境界仮杭設置は、交点計算などで求めた用地境界仮杭の座標値に基づいて、4級基準点以上の基準点から放射法又は用地幅杭線と境界線との交点を視通法により行う。

第26問 解答・解説

正解は選択肢4です。

以下、解説。

選択肢1


1.公図等転写連続図の作成において、隣接する公図間で字界の線形に相違があったが、接合部を合致させるための調整はせず、公図に記載されている字界をそのまま転写した。

そのとおりです。

選択肢2


2.権利者確認調査のため、測量計画機関から貸与された資料を基に利権者調査表を作成した。

そのとおりです。

第5編 応用測量
第4章 用地測量
(権利者確認調査)
第675条
 権利者確認調査は、計画機関から貸与された資料等を基に権利者調査表を作成し行うものとする。

R5作業規程の準則

選択肢3


3.復元測量において、境界杭の亡失があったため、復元すべき位置に仮杭を設置した。その際、関係権利者への事前説明は実施したが、現地での立会いは行わなかった。

そのとおりです。

第5編 応用測量
第4章 用地測量
(方法)
第677条
 収集した地積測量図等の精度、測量年度等を確認し、その結果に基づき境界杭を調査し、亡失等の異常の有無を確認するものとする。
2 復元測量は、計画機関が境界確認に必要があると認める境界杭について行うものとする。
3 現地作業の着手前には、関係権利者に立ち入りについての日程等を通知する。
境界杭に亡失、異常等がある場合は、復元杭を設置する。
前項の規定により復元杭の設置等を行う場合は、関係権利者への事前説明を実施するものとする。この場合、原則として関係権利者による立会いは行わないものとする。
6 復元の方法は、直接復元法等により行うものとする。
7 収集した資料に基づき復元した結果が現地と相違する場合は、復元杭を設置せず原因を調査の上、計画機関に報告し、適切な措置を講ずるものとする。

R5作業規程の準則

選択肢4


4.境界測量において、近傍の4級基準点から、節点2点の開放多角測量により補助基準点を設置し、この補助基準点に基づき、放射法により境界点の測定を行った。

誤りです。

×境界測量において、近傍の4級基準点から、節点2点の開放多角測量により補助基準点を設置し、この補助基準点に基づき、放射法により境界点の測定を行った。
境界測量において、近傍の4級基準点から、節点1点の開放多角測量により補助基準点を設置し、この補助基準点に基づき、放射法により境界点の測定を行った。

第5編 応用測量
第4章 用地測量
(方法)
第681条
 境界測量は、近傍の4級基準点以上の基準点に基づき、放射法等により行うものとする。ただし、やむを得ない場合は、補助基準点を設置し、それに基づいて行うことができる。
3 補助基準点は、基準点から辺長100メートル以内、節点は1点以内の開放多角測量により設置するものとし、観測の区分等は、次表を標準とする。

R5作業規程の準則

選択肢5


5.用地境界仮杭設置は、交点計算などで求めた用地境界仮杭の座標値に基づいて、4級基準点以上の基準点から放射法又は用地幅杭線と境界線との交点を視通法により行う。

そのとおりです。

第5編 応用測量
第4章 用地測量
(用地境界仮杭設置)
第682条
 「用地境界仮杭設置」とは、用地幅杭の位置以外の境界線上等に、用地境界杭を設置する必要がある場合に、用地境界仮杭を設置する作業をいう。

(方法)
第683条
 用地境界仮杭設置は、交点計算等で求めた用地境界仮杭の座標値に基づいて、4級基準点以上の基準点から放射法又は用地幅杭線及び境界線の交点を視通法により行うものとする。
2 用地境界仮杭の観測は、第681条第2項の規定を準用する。

R5作業規程の準則

以上、正解は「選択肢4」でした。

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