令和5年測量士試験(午前) 第15問(GNSS測量機による地形測量)を解説

当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています。

測量士試験

試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第15問 問題

 次の文は、公共測量による地形測量のうち、GNSS測量機を用いた現地測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.使用する機器は、2級GNSS測量機と同等以上のものとする。

2.キネマティック法又はRTK法により地形、地物などを測定する際、初期化を行う観測点で観測値を点検する場合のセット間較差の許容範囲は、水平面の南北成分と東西成分、水平面からの高さ成分のいずれも20 mmである。

3.現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは、原則として1000以下である。

4.ネットワーク型RTK法の単点観測法により測定した結果が周囲の既知点と整合していない場合、水平の整合処理はヘルマート変換等の適切な方法を採用する。

5.ネットワーク型RTK法の単点観測法により測定した結果が周囲の既知点と整合していない場合、高さの整合処理は標高を用いることを標準とする。

第15問 解答・解説

正解は選択肢2です。
以下、解説。

選択肢1


1.使用する機器は、2級GNSS測量機と同等以上のものとする。

そのとおりです。

第3編 地形測量及び写真測量
第2章 現地測量
(機器及びシステム)
第113条
 TS等又はGNSS測量機を用いて実施する現地測量に使用する機器及びシステムは、次表のもの又はこれと同等以上のものを標準とする。

作業規程の準則

選択肢2


2.キネマティック法又はRTK法により地形、地物などを測定する際、初期化を行う観測点で観測値を点検する場合のセット間較差の許容範囲は、水平面の南北成分と東西成分、水平面からの高さ成分のいずれも20 mmである。

誤りです。

×キネマティック法又はRTK法により地形、地物などを測定する際、初期化を行う観測点で観測値を点検する場合のセット間較差の許容範囲は、水平面の南北成分と東西成分、水平面からの高さ成分のいずれも20 mmである。
キネマティック法又はRTK法により地形、地物などを測定する際、初期化を行う観測点で観測値を点検する場合のセット間較差の許容範囲は、水平面の南北成分と東西成分で20 mm、水平面からの高さ成分で30 mmである。

第3編 地形測量及び写真測量
第2章 現地測量
(キネマティック法又はRTK法による地形、地物等の測定)
第123条

4 初期化を行う観測点では、次の方法で観測値の点検を行い、次の観測点に移動するものとする。
一 点検のために1セットの観測を行うこと。ただし、観測は観測位置が明確な標杭等で行うものとする。
二 1セットの観測終了後に再初期化を行い、2セット目の観測を行うものとする。
三 再初期化した2セット目の観測値を採用値として観測を継続するものとする。
四 2セットの観測による点検に代えて、既知点で1セットの観測により点検することができる。
5 許容範囲等は、次表を標準とする。

作業規程の準則

選択肢3


3.現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは、原則として1000以下である。

そのとおりです。

第3編 地形測量及び写真測量
第2章 現地測量
(数値地形図データの地図情報レベル)
第111条
 現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは、原則として1000以下とし250、500及び1000を標準とする。

作業規程の準則

選択肢4


4.ネットワーク型RTK法の単点観測法により測定した結果が周囲の既知点と整合していない場合、水平の整合処理はヘルマート変換等の適切な方法を採用する。

そのとおりです。
ヘルマート変換、アフィン変換が用いられます。

※詳しく知りたい方は少し古い内容ですが「ネットワーク型RTK-GPSを利用する公共測量作業マニュアル(案)」をご覧ください(リンクを押すとPDFが開きます)。

選択肢5


5.ネットワーク型RTK法の単点観測法により測定した結果が周囲の既知点と整合していない場合、高さの整合処理は標高を用いることを標準とする。

そのとおりです。

第3編 地形測量及び写真測量
第2章 現地測量
(ネットワーク型RTK法によるTS点の設置)
第120条

4 単点観測法による場合は、作業地域周辺の既知点において単点観測法により、整合を確認するものとする。ただし、整合の確認及び方法は、次のとおりとする。
二 整合していない場合は、次の方法により整合処理を行うものとする。
イ 水平の整合処理は、座標補正として次により行うものとする。
(1)平面直角座標で行うことを標準とする。
(2)補正手法は適切な方法を採用する。
高さの整合処理は、標高補正として次により行うものとする。
(1)標高を用いることを標準とする。
(2)補正手法は適切な方法を採用する。

作業規程の準則

以上、正解は「選択肢2」でした。

ほかの問題も見たい方はこちら
測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました