令和5年測量士試験(午前) 第11問(GNSS測量機による水準測量)を解説

当サイトではアフィリエイト広告を利用して商品を紹介しています。

測量士試験

試験問題の引用
令和5年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第11問 問題

 次の文は、公共測量による水準測量(以下「GNSS水準測量」という。)について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.GNSS水準測量では、1級及び2級GNSS測量機を使用できる。ただし、2級GNSS測量機を使用できるのは、10km未満の基線の場合のみである。

2.GNSS水準測量で使用できる既知点の種類は、一~二等水準点、水準測量により標高が取り付けられた電子基準点及び1~2級水準点である。

3.GNSS水準測量では、電子基準点のみを既知点とする場合、セミ・ダイナミック補正を行う必要がある。

4.GNSS衛星から送信される信号の大気遅延が高さ方向の精度に影響することから、寒冷前線・温暖前線が接近又は通過しているときなどは、原則としてGNSS観測を行わない。

5.GNSS水準測量で3級水準点を設置する場合は、水準点間の観測距離を6km以上、かつ、40km以下とする。

第11問 解答・解説

正解は選択肢3です。
以下、解説。

選択肢1


1.GNSS水準測量では、1級及び2級GNSS測量機を使用できる。ただし、2級GNSS測量機を使用できるのは、10km未満の基線の場合のみである。

そのとおりです。

第2編 基準点測量
第4章 GNSS測量機による水準測量
(機器の検定等)
第88条
 観測に使用する機器は、次表に掲げるもの又はこれらと同等以上のものを標準とする。

作業規程の準則

選択肢2


2.GNSS水準測量で使用できる既知点の種類は、一~二等水準点、水準測量により標高が取り付けられた電子基準点及び1~2級水準点である。

そのとおりです。
ちなみに選択肢1,2の文章は令和2年測量士試験(午前)第11問と全く同じです。

第2編 基準点測量
第4章 GNSS測量機による水準測量
(既知点の種類)
第75条
 既知点の種類は、次表を標準とする。

作業規程の準則

選択肢3


3.GNSS水準測量では、電子基準点のみを既知点とする場合、セミ・ダイナミック補正を行う必要がある。

誤りです。
(昔は選択肢3の状況でセミ・ダイナミック補正の必要がありましたがマニュアル改訂により不要となりました。詳細は下記参照。)

×GNSS水準測量では、電子基準点のみを既知点とする場合、セミ・ダイナミック補正を行う必要がある。
GNSS水準測量では、電子基準点のみを既知点とする場合、セミ・ダイナミック補正を行わない。

GNSS測量による標高の測量マニュアル

セミ・ダイナミック補正に関する情報は国土地理院HPGNSS測量による標高の測量マニュアル(PDF)をご確認ください。

選択肢4


4.GNSS衛星から送信される信号の大気遅延が高さ方向の精度に影響することから、寒冷前線・温暖前線が接近又は通過しているときなどは、原則としてGNSS観測を行わない。

そのとおりです。

第2編 基準点測量
第4章 GNSS測量機による水準測量
(GNSS観測の実施)
第90条
 

三 作業地域の気象条件等が次のようなときは、原則としてGNSS観測を行わないものとする。
イ 台風又は熱帯低気圧が接近又は通過しているとき。
寒冷前線、温暖前線等が接近又は通過しているとき。
ハ 積乱雲の急速な発達や集中豪雨が予測されるとき。
ニ その他、大気遅延の影響を大きく受けると予測されるとき。

作業規程の準則

選択肢5


5.GNSS水準測量で3級水準点を設置する場合は、水準点間の観測距離を6km以上、かつ、40km以下とする。

そのとおりです。

第2編 基準点測量
第4章 GNSS測量機による水準測量
(GNSS測量機による水準測量の方式)
第76条
 
GNSS測量機による水準測量の作業方法は、次表を標準とする。

作業規程の準則

以上、正解は「選択肢3」でした。

ほかの問題も見たい方はこちら
測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました