令和4年測量士試験(午後) 必須No.1 問Dを解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和4年の試験問題・模範解答は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

必須No.1 問D

問D.次の各問に答えよ。

問D- 1
 測量計画機関が,地理情報標準プロファイル(以下「JPGIS」という。)に準拠して製品仕様書を定めることで確保される主な事項を,例に倣って解答欄に記せ。
 ただし,例に示す内容は除く。
 (例)必要とする品質

問D- 2
 地理空間データの品質評価は,製品仕様書に含む品質要求に基づく必要がある。
 製品仕様書の品質要求に記述しなければならない項目は何か。二つ解答欄に記せ。

問D- 3
 JPGIS に基づき作成される製品仕様書のメタデータは,日本版メタデータプロファイル第 2 版(以下「JMP2.0」という。)を採用することとしている。次の文は,JMP2.0 仕様書で説明している,JMP2.0 の背景について述べたものである。
ア ~ エ に入る最も適当な語句を解答欄に記せ。

 地理情報は,多数の機関において様々な形態で整備・提供されており,これらの情報の中には,所有する機関の内部での利用に留まることなく,様々な目的のために広く活用されるべきものが多数存在する。インターネット技術を利用し,世の中に点在するこれら諸情報のメタデータを統合的に ・提供するシステム,いわゆる の実現は,地理情報の 回避によるコスト軽減を可能とするものであり,その構築にあたっては,各々の地理情報に関するメタデータの整備が必要である。

問D- 4
 測量作業機関は,適切な精度管理を行わなければならない。測量作業の終了後速やかに行う精度管理の方法として点検測量があるが,「作業規程の準則」に定められた標準の点検測量率を表1-2 に示す測量種別ごとに,それぞれ解答欄に記せ。

解答

D-1

解答例:データの互換性

そもそもJPGISの1番大きな目的が「データの互換性の確保」です。
今回は、JPGISに準拠した製品仕様書の整備で確保できるものは?という問いですので、下記に少し解説を記載します。

製品仕様書は、いわばデータの設計図であり、データの利用目的に応じた要求事項や完成した製品の品質の程度、すなわち、「データの内容と構造」「データの交換標準形式」「データの品質保証」といったデータを作り、流通をさせるために必要な事項を記述することになっています。それにより、データ作成者は、製品仕様書に従ったデータを作ることができ、データ利用者は、データの詳細を知ることができます。
 つまり、製品仕様書は、データ作成者及びデータ利用者に対して、守らなければならないルールを規定しています。
 また、製品仕様書は、データ作成時には「発注仕様書」として、データ交換時には「説明書」として使用することができます。

2.地理空間情報の実用化(JPGIS化)でできること国土地理院HP

D-2

【解答】
データ品質適用範囲
データ品質評価尺度

この2つが正解です。
覚えればよいですが、せっかくなので周辺知識も頭に入れておきましょう。

6.データ品質 -品質要求及び評価手順-

《概要》
“データ品質”には,地理空間データがその利用目的に合致するために保証しなければならない品質の基準を品質要求として示す。
地理空間データは,作成に使用する機器の性能,作業者の技能,作業環境など,さまざまな要因によって,その品質にバラツキをもつ。品質要求は,そのバラツキがどの程度までなら利用目的と照らし許容することができるかを示すものである。品質要求の内容は,地理空間データの目的,データ作成及び品質評価にかかるコストなどを考慮し決定する(品質要求のレベルが高ければ,コストもそれに比例して高くなる)。
また,品質評価の手法に対する要望がある場合は,品質評価手順としてその内容を記述する。
品質評価手順については,データ作成者が提案する手法を採用してもよい。
品質要求及び評価手順の検討に際しては,『品質の要求,評価及び報告のための規則』に準拠しなければならない。

《記載内容》
データ品質の記載内容としては,品質要求と品質評価手順がある。ただし,品質評価手順の記載は任意であり,データ作成者が提案する手法を採用してもよい。
品質要求
品質要求は,次の項目を使用し製品仕様書に記述する。
・ データ品質適用範囲
品質評価の対象とするデータの内容又は範囲を,データ品質副要素(詳細は第三部を参
照)ごとに記述する。
・ データ品質評価尺度
品質を評価するための指標(品質を測るための“物差し”)を記述する。また,合否の判
定に必要な品質の基準値(適合品質水準)を示す。
品質評価手順(任意)
品質評価手順は,次の項目を使用し製品仕様書に記述する。
・ データ品質評価手法
品質評価の方法を記述する。品質要求に記述されるデータ品質適用範囲及びデータ品質
評価尺度と対応しなければならない。

地理空間データ製品仕様書作成マニュアル(国土地理院令和元年11月)

D-3

検索
クリアリングハウス
利用促進
重複投資

地理情報は,多数の機関において様々な形態で整備・提供されており,これらの情報の中には,所有する機関の内部での利用に留まることなく,様々な目的のために広く活用されるべきものが多数存在する。インターネット技術を利用し,世の中に点在するこれら諸情報のメタデータを統合的に ・提供するシステム,いわゆる の実現は,地理情報の 回避によるコスト軽減を可能とするものであり,その構築にあたっては,各々の地理情報に関するメタデータの整備が必要である。

JMP2.0解説書の冒頭(背景)に書かれた文章から出題されています。

クリアリングハウスを久しぶりに見ようと思ったのですが、2023年6月15日現在、運用停止中でした。(地理空間情報クリアリングハウス

R3年度測量士試験(午後)No.1 問Dにて類題が出題されています。

D-4

10
5
10
2
5

最近、よく問われていますので覚えましょう。

第1編 総則(第1条―第17条)
(精度管理)
第13条 作業機関は、測量の正確さを確保するため、適切な精度管理を行い、この結果に基づいて精度管理表及び品質評価表を作成し、これを計画機関に提出しなければならない。
2 作業機関は、各工程別作業区分の作業終了後及び適宜作業の途中に、この準則に定める点検を行わなければならない。
3 作業機関は、作業の終了後速やかに点検測量を行わなければならない。
点検測量率は、次表を標準とする。

作業規程の準則

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