令和4年測量士試験(午前) 第20問(三次元点群データの作成)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和4年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第20問 問題

 次の文は,公共測量における三次元点群データの作成について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.三次元形状復元計算とは,撮影した数値写真及び標定点を用いて,数値写真の外部標定要素及び数値写真に撮像された地点の位置座標を求め,地形,地物等の三次元形状を復元し,オリジナルデータを作成する作業をいう。

2.地上レーザ点群測量は,地表面だけでなく,周囲に存在する地物の側面の三次元点群データも作成できる。

3.UAV(無人航空機)写真点群測量において,三次元点群データの位置精度を評価するため標定点とは別に検証点を設置した。

4.UAV 写真点群測量において,同一コース内の隣接写真との重複度を 60 % 以上確保できるように撮影計画を立案した。

5.UAV 写真点群測量において,作業地域内で最も標高の高い地点及び最も標高の低い地点に標定点を設置した。

第20問 解答・解説

正解は選択肢4です。

以下、解説。

選択肢1

1.三次元形状復元計算とは,撮影した数値写真及び標定点を用いて,数値写真の外部標定要素及び数値写真に撮像された地点の位置座標を求め,地形,地物等の三次元形状を復元し,オリジナルデータを作成する作業をいう。

そのとおりです。

第527条 「三次元形状復元計算」とは、撮影した数値写真及び標定点を用いて、数値写真の外部標定要素及び数値写真に撮像された地点(以下本章において「特徴点」という。)の位置座標を求め、地形、地物等の三次元形状を復元し、オリジナルデータを作成する作業をいう。

作業規程の準則第4編三次元点群測量

選択肢2

2.地上レーザ点群測量は,地表面だけでなく,周囲に存在する地物の側面の三次元点群データも作成できる。

この選択肢は正しいです。

地上レーザ点群測量とは、地上レーザスキャナを用いて地形、地物等を観測し、三次元点群データを作成する作業をいう。(作業規程の準則第486条)

レーザーを反射するものであれば、点準測量可能ですので地形のみならず建物のデータも取得します。

選択肢3

3.UAV(無人航空機)写真点群測量において,三次元点群データの位置精度を評価するため標定点とは別に検証点を設置した。

そのとおりです。

標定点とは
三次元復元計算に必要となる水平位置及び標高の基準となる点のこと。

検証点とは
UAV写真点群測量の作業範囲において観測した三次元点群データの検証を行う点のこと。

第515条
2 検証点は、標定点とは別に、次の各号のとおり配置するものとする。
一 検証点は、標定点からできるだけ離れた場所に、作業地域内に均等に配置することを標準とする。

作業規程の準則第4編三次元点群測量

選択肢4

4.UAV 写真点群測量において,同一コース内の隣接写真との重複度を 60 % 以上確保できるように撮影計画を立案した。

誤りです。

×UAV 写真点群測量において,同一コース内の隣接写真との重複度を 60 % 以上確保できるように撮影計画を立案した。
UAV 写真点群測量において,同一コース内の隣接写真との重複度を 80 % 以上確保できるように撮影計画を立案した。

第521条
8 撮影後に実際の写真重複度を確認できる場合には、同一コース内の隣接数値写真との重複度が80パーセント以上、隣接コースの数値写真との重複度が60パーセント以上を確保できるよう撮影計画を立案することを標準とする。

作業規程の準則第4編三次元点群測量

UAV写真測量・空中写真測量の場合
同一コース内の隣接数値写真(空中写真)との重複度は60パーセント、隣接コースの数値写真(空中写真)との重複度は30パーセントを標準とする。

選択肢5

5.UAV 写真点群測量において,作業地域内で最も標高の高い地点及び最も標高の低い地点に標定点を設置した。

そのとおりです。

第515条 標定点は、作業地域の形状及び比高が大きく変化するような箇所、撮影コースの設定、地表面の状態等を考慮しつつ、次の各号のとおり配置するものとする。
五 計画時の作業地域内において最も標高の高い地点及び最も標高の低い地点には、標定点を設置する。なお、これらの標定点は、外側標定点又は内側標定点の一部とすることができる。

作業規程の準則第4編三次元点群測量

以上、正解は「選択肢4」でした。

令和4年測量士試験の解説は随時更新予定です。

ほかの問題も見たい方はこちら

測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

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