令和4年測量士試験(午前) 第11問(GNSS 測量機による水準測量)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和4年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第11問 問題

 次のa~eの文は,公共測量における GNSS 測量機による水準測量(以下「GNSS 水準測量」という。)について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の
中から選べ。

a.GNSS 水準測量では, 2 級水準点及び 3 級水準点を設置することができる。

b.GNSS 水準測量を実施できるのは,国土地理院のジオイド・モデルが提供されている地域である。

c.GNSS 水準測量の既知点として,全ての電子基準点が使用できる。

d.GNSS 水準測量では,観測距離は 6 km 以上,かつ 40 km 以下である。

e.観測距離が 10 km 未満の観測は, 2 級 GNSS 測量機により行うことができる。

選択肢
1.a,c
2.a,d
3.b,d
4.b,e
5.c,e

第11問 解答・解説

正解は選択肢1です。

以下、解説。

選択肢a

a.GNSS 水準測量では, 2 級水準点及び 3 級水準点を設置することができる。

×GNSS 水準測量では, 2 級水準点及び 3 級水準点を設置することができる。
GNSS 水準測量では, 3 級水準点を設置することができる

第47条
3 1級水準測量により設置される水準点を1級水準点、2級水準測量により設置される水準点を2級水準点、3級水準測量により設置される水準点を3級水準点、4級水準測量により設置される水準点を4級水準点及び簡易水準測量により設置される水準点を簡易水準点という。

作業規程の準則

第74条
2 GNSS測量機による水準測量は、本章で規定する既知点の種類、既知点間の路線長、観測の精度等により3級水準測量とし、設置される水準点の区分は第47条第3項に準ずるものとする。

作業規程の準則

よって、この選択肢は正しいです。

選択肢b

b.GNSS 水準測量を実施できるのは,国土地理院のジオイド・モデルが提供されている地域である。

そのとおりです。

GNSS水準測量で得られる高さは「楕円体高(地球を回転楕円体としてみたときの回転楕円体面からの高さ)」です。

標高を求めるためには
(標高)=(楕円体高)ー(ジオイド高)
の式を使います。

そのため、ジオイド・モデルの提供地域でのみしかGNSS水準測量にて標高を求めることはできないということです。

第74条
3 GNSS測量機による水準測量の適用範囲は、ジオイド・モデルの提供地域とする。

作業規程の準則

選択肢c

c.GNSS 水準測量の既知点として,全ての電子基準点が使用できる。

×GNSS 水準測量の既知点として,全ての電子基準点が使用できる。
GNSS 水準測量の既知点として,電子基準点(標高区分:水準測量による」に限る))が使用できる。

作業規程の準則より引用

・標高区分とは?

基準点成果等閲覧サービスで公表されている情報の解説より引用

選択肢d

d.GNSS 水準測量では,観測距離は 6 km 以上,かつ 40 km 以下である。

そのとおりです。

作業規程の準則より引用

選択肢e

e.観測距離が 10 km 未満の観測は, 2 級 GNSS 測量機により行うことができる。

そのとおりです。

作業規程の準則より引用

以上、正解は「選択肢1」でした。

令和4年測量士試験の解説は随時更新予定です。

ほかの問題も見たい方はこちら

測量士試験(午前)の過去問解説→記事一覧に飛びます。

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