試験問題の引用
令和3年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html
第27問 問題
図 27 は、境界点A、B、Cを順に直線で結ぶ境界線 ABC で区割りされた甲及び乙の土地を示しており、表 27 は、トータルステーションを用いて現地で角度及び距離を測定した結果である。
甲及び乙の土地の面積を変えずに、境界線 AP で区割りして整正するためには、CP 間の距離を幾らにすればよいか。最も近いものを次の中から選べ。
ただし、甲及び乙の土地は平たんとする。
測定結果 | |
S1 | 55.000 m |
S2 | 36.000 m |
α | 120°00’00” |
β | 135°00’00” |
選択肢
1.21.562 m
2.21.822 m
3.24.641 m
4.27.461 m
5.39.374 m
第27問 解答・解説
正解は選択肢2です。
①Cを座標原点(0,0)とした座標系においてのA,Bの座標値を算出
②A,B,Cの座標値を用いて甲、乙の境界を算出
B,Aの座標計算
測点 | θ 方向角 | S 距離 | X 座標値 | Y 座標値 |
C | 0.000 m | 0.000 m | ||
↓ | 360°-(β-90°) =360°-(135°-90°) =315° | 36.000 m | 36×cos(315°)=25.456 m | 36×sin(315°)=-25.456 m |
B | 25.456 m | -25.456 m | ||
↓ | 180°-(α+45°) =180°-(120°+45°) =15° | 55.000 m | 55×cos(15°)=53.126 m | 55×sin(15°)=14.235 m |
A | 25.456+53.126=78.582 m | -25.456+14.235=-11.221 m |
直線APが甲乙それぞれの面積を変えない線ならば、ねじれ図形CBAPの結果は「0」になる。
この考え方をもとに、PのY座標値を未知数とした面積計算表をつくる。
面積計算式は下式である。
2S = Σ Xn (Yn+1 – Yn-1)
ねじれ図形 CBAP面積計算
点 | X | Y | Yi+1 – Yi-1 | Xi (Yi+1 – Yi-1) |
C | 0.000 m | 0.000 m | -25.456 – Yp | 0 |
B | 25.456 m | -25.456 m | -11.221-0.000=-11.221 | -285.642 |
A | 78.582 m | -11.221 m | Yp – (-25.456)=Yp+25.456 | 78.582Yp+2000.384 |
P | 0.000 m | Yp | 0.000-(-11.221)=11.221 | 0 |
合計 | 0 | 78.582Yp + 1714.742 |
計算結果から
( 78.582Yp + 1714.742 )=0
Yp = -1714.742 / 78.582 = -21.821
座標設定の関係でマイナスになってしまったが、求めるCP間の距離は21.821である。
選択肢のうち一番近い21.822が正解である。
※この問題は「測量士・測量士補国家試験 科目別模範解答集(平成27年~令和元年)」のp327~329を基に解説しました。
正解は「選択肢2」
↓令和3年測量士試験(午前) 解答解説↓
コメント
BからAへの角度が15°になる理由がわかりません。勉強不足なのは重々承知ですが、ご教示いただけませんでしょうか
Bissy様
図を1枚追加、表中に計算式を追加しました。
ご不明点あれば再度ご質問ください。
無事正解を導けました、わかりやすい解説をいただきありがとうございます。
引き続きお世話になります!