令和3年測量士試験(午前) 第25問(正誤:三次元点群データを用いた路線測量)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和3年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第25問 問題

 次の文は、公共測量における三次元点群データを用いた路線測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

1.三次元点群データを用いて横断面図データファイルを作成しようとしたところ、地面の傾斜が急に変わる部分について、三次元点群データの密度が粗く精度を確保できていないことが判明したため、トータルステーションを用いて補備測量を行った。
2.既設道路の線形改良において、別の測量計画機関が直前に公共測量として実施した車載写真レーザ測量成果があることが分かり、その精度を確認したところ、十分な精度を有していたため、当該測量計画機関に使用承認申請を行った。

3.密な樹木に覆われた山地に新規道路を建設する上で、横断測量の断面図作成を効率的に実施するため、無人航空機(UAV)を利用して撮影した写真から三次元点群データを新規で取得することとした。
4.民家が点在する郊外で、新規道路建設のための路線測量の実施に当たり、当該地域は見通しがよいことから、地上レーザ点群測量により効率的に断面図作成を行うこととした。

5.三次元点群データから TIN(不整三角網)構造の地形モデルを作成し、その地形モデルから横断面図データファイルを作成した。

第25問 解答・解説

正解は選択肢3です。

選択肢1

1.三次元点群データを用いて横断面図データファイルを作成しようとしたところ、地面の傾斜が急に変わる部分について、三次元点群データの密度が粗く精度を確保できていないことが判明したため、トータルステーションを用いて補備測量を行った。

おかしくはないです。

選択肢2

2.既設道路の線形改良において、別の測量計画機関が直前に公共測量として実施した車載写真レーザ測量成果があることが分かり、その精度を確認したところ、十分な精度を有していたため、当該測量計画機関に使用承認申請を行った。

測量の重複投資を防ぐことにもつながるので、問題ありません。

選択肢3

3.密な樹木に覆われた山地に新規道路を建設する上で、横断測量の断面図作成を効率的に実施するため、無人航空機(UAV)を利用して撮影した写真から三次元点群データを新規で取得することとした。

地形の三次元点群データ作成において、UAVを利用した写真測量では、植生のある場所は点群データ作成はできない。
理由は次のとおり。

樹木や植生のある場所では、地表ではなく樹木・植生の上部での三次元点群データとなるため。

ただし、航空レーザ測量であれば、植生がある場所でも三次元点群データの作成ができます。

選択肢4

4.民家が点在する郊外で、新規道路建設のための路線測量の実施に当たり、当該地域は見通しがよいことから、地上レーザ点群測量により効率的に断面図作成を行うこととした。

そのとおりです。

選択肢5

5.三次元点群データから TIN(不整三角網)構造の地形モデルを作成し、その地形モデルから横断面図データファイルを作成した。

そのとおりです。

内挿補間の方法として、次の2つの方法があります。

最近隣法
 標高データを求める格子点に最も近い距離にあるグラウンドデータの標高値を採用する方法。

TIN(不整三角網)を用いる方法
 グラウンドデータの各点を結んで不整三角網を発生させ、その面の標高値を採用する方法。

正解は「選択肢3

令和3年測量士試験(午前) 解答解説

令和3年測量士試験(午前) 全28問解説

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