試験問題の引用
令和3年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html
第24問 問題
次のa〜eの文は、地理空間情報活用推進基本法(平成 19 年法律第 63 号)における基盤地図情報について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a.基盤地図情報に係る項目は、①測量の基準点、②海岸線、③公共施設の境界線、④行政区画の境界線及び代表点、⑤道路縁及び⑥標高点の6項目である。
b.国が保有する基盤地図情報は、原則としてインターネットを利用して無償で提供される。
c.基盤地図情報として、国土地理院から 5mメッシュ及び 10 m メッシュの数値標高モデルが提供されている。
d.都市計画区域外の基盤地図情報の平面位置の誤差は 25 m 以内、高さの誤差は 5.0 m 以内である。
e.基盤地図情報を整備、更新する場合は、既存の成果がある場合でも、新規で作成することが推奨されている。
選択肢
1.a,b
2.a,e
3.b,d
4.c,d
5.c,e
第24問 解答・解説
正解は選択肢2です。
選択肢a
誤
a.基盤地図情報に係る項目は、①測量の基準点、②海岸線、③公共施設の境界線、④行政区画の境界線及び代表点、⑤道路縁及び⑥標高点の6項目である。
6項目ではなく13項目が正解です。
基盤地図情報に係る項目は国土交通省令により次の13項目が定められています。
・測量の基準点
・海岸線
・公共施設の境界線(道路区域界)
・公共施設の境界線(河川区域界)
・行政区画の境界線及び代表点
・道路縁
・河川堤防の表法肩の法線
・軌道の中心線
・標高点
・水涯線
・建築物の外周線
・市町村の町若しくは字の境界線及び代表点
・街区の境界線及び代表点
選択肢b
正
b.国が保有する基盤地図情報は、原則としてインターネットを利用して無償で提供される。
基盤地図情報13項目のうち「 公共施設の境界線(道路区域界)
、公共施設の境界線(河川区域界)、 河川堤防の表法肩の法線 」以外の10項目が基盤地図情報ダウンロードサービスにて提供されています。
また法令においても次のように定められています。
(基盤地図情報等の円滑な流通等)
地理空間情報活用推進基本法(平成19年5月30日法律第63号)(e-Gov法令検索)
第十八条 国及び地方公共団体は、基盤地図情報等が社会全体において利用されることが地理空間情報の高度な活用に資することにかんがみ、基盤地図情報の積極的な提供、統計情報、測量に係る画像情報等の電磁的方式による整備及びその提供その他の地理空間情報の円滑な流通に必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、その保有する基盤地図情報等を原則としてインターネットを利用して無償で提供するものとする。
3 国は、前二項に定めるもののほか、国民、事業者等による地理空間情報の活用を促進するため、技術的助言、情報の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
よって、この選択肢は正です。
選択肢c
正
c.基盤地図情報として、国土地理院から 5mメッシュ及び 10 m メッシュの数値標高モデルが提供されている。
数値標高モデルについても基盤地図情報ダウンロードサービスにて提供されています。
10mメッシュは日本全国でデータが整備されています。
一方5mメッシュは都市部や河川流域などの一部地域のみ整備、提供されています。
選択肢d
正
d.都市計画区域外の基盤地図情報の平面位置の誤差は 25 m 以内、高さの誤差は 5.0 m 以内である。
下記のとおり定められています。
選択肢e
誤
e.基盤地図情報を整備、更新する場合は、既存の成果がある場合でも、新規で作成することが推奨されている。
この選択肢は令和元年(2019年)の測量士試験(午前)の第24問においても出題されています。
(地図関連業務における基盤地図情報の相互活用)
地理空間情報活用推進基本法(平成19年5月30日法律第63号)(e-Gov法令検索)
第十七条 国及び地方公共団体は、都市計画、公共施設の管理、農地、森林等の管理、地籍調査、不動産登記、税務、統計その他のその遂行に地図の利用が必要な行政の各分野における事務又は事業を実施するため地図を作成する場合には、当該地図の対象となる区域について既に整備された基盤地図情報の相互の活用に努めるものとする。
経年変化を知りたい場合や、土地が大きく改変されている場合を除いては、重複投資を避けることが重要です。
よって、この選択肢は誤りです。
正解は「選択肢2」
↓令和3年測量士試験(午前) 解答解説↓
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