令和3年測量士試験(午前) 第12問(正誤:公共測量による水準測量)を解説

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測量士試験

試験問題の引用

令和3年の試験問題は国土地理院HPから引用しています。
https://www.gsi.go.jp/LAW/SHIKEN/past.html

第12問 問題

 次のa〜eの文は、公共測量における水準測量について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。

a.永久標識を設置した水準点の水平位置は、ネットワーク型 RTK 法を用いて求めることができる。
b.直接に水準測量で結ぶことができない水準路線は、渡海(河)水準測量又は GNSS 観測による間接水準測量により連結することができる。

c.1級水準測量及び2級水準測量において再測を行った場合、往復観測における同方向の観測値を採用するものとする。
d.1級水準測量で新点の標高を求めるためには、標尺補正計算及び正規正標高補正計算を行う。ただし、正規正標高補正計算に代えて実測の重力値による補正である正標高補正計算を用いることができる。

e.直接水準測量の平均計算において、重量は観測距離の逆数とし、観測方程式又は条件方程式を用いて行う。

選択肢
1.a,c
2.a,e
3.b,c
4.b,d
5.d,e

第12問 解答・解説

正解は選択肢3です。

選択肢a

a.永久標識を設置した水準点の水平位置は、ネットワーク型 RTK 法を用いて求めることができる。

そのとおり。

第3章 レベル等による水準測量
第59条
永久標識を設置した水準点については、第37条に規定する観測方法又は単点観測法により座標を求め、成果数値データファイルに記載するものとする。また、既知点の座標を求めた場合、当該点の管理者にその取扱いを確認することができる。
「単点観測法」は、第37条に規定するネットワーク型RTK法を用いて単独で測点の座標を求める。

作業規程の準則

選択肢b

b.直接に水準測量で結ぶことができない水準路線は、渡海(河)水準測量又は GNSS 観測による間接水準測量により連結することができる。

ぱっと見、正しそうですが、よく読むと間違っています。

第3章 レベル等による水準測量
第49条「水準路線」とは、2点以上の既知点を結合する路線をいう。直接に水準測量で結ぶことができない水準路線は、渡海(河)水準測量により連結するものとする。

作業規程の準則

よって、選択肢の文中の「又は GNSS 観測による間接水準測量」が誤り。

選択肢c

c.1級水準測量及び2級水準測量において再測を行った場合、往復観測における同方向の観測値を採用するものとする。

第3章 レベル等による水準測量
第65条 1級水準測量、2級水準測量、3級水準測量及び4級水準測量の観測において、水準点及び固定点によって区分された区間の往復観測値の較差が、許容範囲を超えた場合は、再測するものとする。
二 1級水準測量及び2級水準測量の再測は、同方向の観測値を採用しないものとする。

作業規程の準則

作業規程の準則には「同方向の観測値を採用しない」と記載があるので、この選択肢は誤りです。

選択肢d

d.1級水準測量で新点の標高を求めるためには、標尺補正計算及び正規正標高補正計算を行う。ただし、正規正標高補正計算に代えて実測の重力値による補正である正標高補正計算を用いることができる。

第3章 レベル等による水準測量
第67条 
一 標尺補正計算及び正規正標高補正計算(楕円補正)は、1級水準測量及び2級水準測量について行う。ただし、1級水準測量においては、正規正標高補正計算に代えて正標高補正計算(実測の重力値による補正)を用いることができる。また、2級水準測量における標尺補正計算は、水準点間の高低差が70メートル以上の場合に行うものとし、標尺補正量は、気温20度における標尺改正数を用いて計算するものとする。

作業規程の準則

よって、この選択肢は正しい。

選択肢e

e.直接水準測量の平均計算において、重量は観測距離の逆数とし、観測方程式又は条件方程式を用いて行う。

第3章 レベル等による水準測量
第70条 平均計算は、次により行うものとする。
一 直接水準測量の平均計算は、距離の逆数を重量とし、観測方程式又は条件方程式を用いて行うものとする。

作業規程の準則

条文1つ1つを覚える必要はありませんが、良く問われる条文に関しては、演習を通して覚えていきましょう。

頻出問題は落とさないように心がけましょう。

正解は「選択肢3

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