令和2年測量士試験(午前) 第24問(基盤地図情報)を解説

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測量士試験

問題

〔No. 24〕
 次の a ~ e の文は,国土地理院が整備する基盤地図情報を利用した公共測量の実施などについて述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。


a .公共測量に使用する基盤地図情報のメタデータを調べたところ,当該基盤地図情報の整備にA町の公共測量成果が使用されていた。この場合,A町に対して測量成果の使用承認申請を行わなければならない。
b .航空レーザ測量成果から作成した 5 mメッシュの基盤地図情報の数値標高モデルを使用して,地図情報レベル5000の等高線(主曲線間隔:5 m)を作成した。

c .基盤地図情報の等高線から50 mメッシュの数値標高モデルを作成する際には,基盤地図情報のジオイド・モデルによる標高の補正は必要ない。
d .基盤地図情報の数値標高モデルから,基盤地図情報の建築物の外周線に建築物の地表面からの高さ情報を付与することはできる。

e .都市計画区域内の基盤地図情報を基図として,地図情報レベル5000の地図を編集・作成した。

選択肢
1. a,c
2. a,d
3. b,d
4. b,e
5. c,e

解答

正解は選択肢2です。

選択肢a

a .公共測量に使用する基盤地図情報のメタデータを調べたところ,当該基盤地図情報の整備にA町の公共測量成果が使用されていた。この場合,A町に対して測量成果の使用承認申請を行わなければならない。

A町に対してではなく「国土地理院の長に使用承認申請を行う」が正解です。

この問題の冒頭に「 国土地理院が整備する基盤地図情報 」と記載があるため、基本測量成果とわかります。

基本測量成果を使用する際は、国土地理院の長の承認を得る必要があるので、申請先は国土地理院の長です。

選択肢b

b .航空レーザ測量成果から作成した 5 mメッシュの基盤地図情報の数値標高モデルを使用して,地図情報レベル5000の等高線(主曲線間隔:5 m)を作成した。

そのとおりです。

作業規程の準則では次のように定められています。

第10章 航空レーザ測量
(基盤地図情報等の円滑な流通等)
第447条
2 等高線データの作成は、次のとおりとする。
二 グラウンドデータ又はグリッドデータの間隔は、次表を標準とする。なお、グラウンドデータ及びグリッドデータは、作業地域の外周を格子間隔の10倍以上の距離を延伸した範囲のものを使用することとする。

作業規程の準則
作業規程の準則

よって、この選択肢は正です。

選択肢c

c .基盤地図情報の等高線から50 mメッシュの数値標高モデルを作成する際には,基盤地図情報のジオイド・モデルによる標高の補正は必要ない。

正直、これの正誤について解説できるだけの知識は持ち合わせていません。

ほかの選択肢であきらかに間違っているものがあったので、そこから正解を選ぶのがよいでしょう。

選択肢d

d .基盤地図情報の数値標高モデルから,基盤地図情報の建築物の外周線に建築物の地表面からの高さ情報を付与することはできる。

誤りです。

基盤地図情報において提供されている数値標高モデルは建物の高さではなく、地表面の標高データです。

よって、問題文のデータはDEMのため、建物の高さを推定することは難しいです。

(力技で建物の高さを求めるならDEMのほかにDSMがあるとよいですね…)

選択肢e

e .都市計画区域内の基盤地図情報を基図として,地図情報レベル5000の地図を編集・作成した。

その通りです。

都市計画区域内の基盤地図情報は、地図レベル2500で整備されています。

今回の問題では地図情報レベル2500から地図情報レベル5000を編集・作成しようとしているので、全く問題ありません。

正解は「選択肢2」です。

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