令和2年測量士試験(午前) 第21問(地図の読み取り)を解説

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測量士試験

問題

〔No.21〕
 図 21 は,国土地理院刊行の電子地形図 25000 の一部(縮尺を変更)である。次の a ~ d の文は,この図に表現されている内容について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次のページの中から選べ。
 ただし, a ~ d で使用する地図記号及び注記を図 21 上で○で囲み,それぞれ ①~⑤の番号を付している。なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

a .市役所(①)と警察署(②)との水平距離は500 m以上である。
b .10 mを示す標高点(③)と,東光山の三角点(④)の 2 地点間を結んだ斜距離は,1,300 mより長い。

c .市役所(①)の標高を13.0 mとすると,市役所(①)と東光山の三角点(④)の 2 地点間を結んだ傾斜角は10°より大きい。
d .自然災害伝承碑※(⑤)の経緯度は,およそ東経130°20′48″,北緯32° 5′19″である。

※ 国土地理院は,過去に起きた津波,洪水,火山災害,土砂災害等の自然災害の情報を伝える新たな地図記号「自然災害伝承碑」()をウェブ地図「地理院地図」及び 2 万 5 千分 1 地形図に掲載する取組を行っている。

選択肢
1.a,b
2.a,c
3.b,c
4.b,d
5.c,d

解答

正解は選択肢3です。

国土地理院HPに飛んで問題をA4で印刷して、実際の縮尺で解いてみてください。

図21の最下部に記載のあるスケールの長さを測ると
地図上で7.3cmの場合、実際の距離は1500mとわかる。
→1cmで205.48m
→1mmで20.548m

a


a .市役所(①)と警察署(②)との水平距離は500 m以上である。

そのとおりである。

地図上では①と②は27mm離れているので、実際には
27mm × 20.548m = 554.8m

500m以上離れているのでこの選択肢は正である。

b


b .10 mを示す標高点(③)と,東光山の三角点(④)の 2 地点間を結んだ斜距離は,1,300 mより長い。

③と④の水平距離は地図上で60mmなので実距離では
60mm × 20.548m = 1233m


③と④の標高差は160-10=150m。

よって、求める斜距離は
√ (12332 + 1502)
= 1242 m

1300mより短いので、この選択肢は誤りである。

c


c .市役所(①)の標高を13.0 mとすると,市役所(①)と東光山の三角点(④)の 2 地点間を結んだ傾斜角は10°より大きい。

①と④の水平距離は地図上で60mmなので実距離では
60mm × 20.548m = 1233m

高低差は160 – 13 = 147m。
求める傾斜角をθとすると
tanθ = 1233 / 147 =8.39°

傾斜角は10°より小さいので、この選択肢は誤りである。

d


d .自然災害伝承碑※(⑤)の経緯度は,およそ東経130°20′48″,北緯32° 5′19″である。

まず東経を求める。
130°20’20” + (130°22’00” – 130°20’20”) ×35mm / 127mm
= 130°20’20” + 100” × 0.2756
= 130°20’48”

次に北緯を求める。
30° 4’50” + ( 30° 6’10” – 30° 4’50” ) ×43mm / 119mm
= 30° 4’50” + 80” × 0.3613
= 30° 5’19”

※ 上式中の35mm , 127mm , 43mm , 119mm は地図上での距離を定規で測ったもの。

正解は選択肢「3」です。

令和2年測量士試験(午前) 解答解説

令和2年測量士試験(午前) 全28問解説

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